柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

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    はじめに

    柴胡加竜骨牡蛎湯は、ストレスなどによるイライラで寝つきが悪い、神経症の方にお勧めの漢方薬です。

    症状・働き

    朝すっきりと目覚められない、日中に眠気がある、元気が出ない、気力がわかないといったことを感じていらっしゃる場合、健康的な睡眠がとれているとは言えません。そんなときは日常生活の改善や漢方薬を一度お試しいただければと思います。
    柴胡加竜骨牡蛎湯の効能には、「高血圧の随伴症状」とありますが、高血圧の方でなくてもストレスなどによるイライラや神経症などが当てはまれば、服用していただけます。

    効能・効果

    体力中等度以上で、精神不安があって、動悸、不眠、便秘などを伴う次の諸症:高血圧の随伴症状(動悸、不安、不眠)、神経症、更年期神経症、小児夜泣き、便秘

    服用期間

    個人差はありますが、服用から1週間程度で症状の改善傾向が見られれば、体質に合っていると考えられます。
    身体に徐々に働きかけるため、目覚めなどが良くなったら睡眠の質が改善されていると判断できます。服用前の気になる症状がなくなった時点で服用はおやめください。
    症状がないときは、体のバランスがうまくとれている状態ですから、予防的に服用することはお控えください。

    使い分け

    不眠に用いる漢方薬には、『柴胡加竜骨牡蛎湯』の他に『加味帰脾湯』がございます。
    「ストレスなどによるイライラで寝つきが悪い」といった症状には『柴胡加竜骨牡蛎湯』が、「疲れやすい方で眠りが浅い、あるいは寝ている途中で目覚めてしまう」といった症状には『加味帰脾湯」が適しています。
    また、イライラに用いる漢方薬として『抑肝散加陳皮半夏』もございます。「イライラしやすい、寝つきが悪い」という症状には『柴胡加竜骨牡蛎湯』が、不眠の症状というよりも、「ちょっとしたことで怒ってしまう、周りにあたってしまう」という症状には『抑肝散加陳皮半夏』が適しています。

    注意点・併用

    下剤と一緒に服用しないようご注意ください。その他、柴胡加竜骨牡蛎湯と他の西洋薬との併用で注意喚起されているものはありません。ただし他にお薬を服用している場合は、確認のため、かかりつけの医師、薬剤師又は登録販売者にご相談ください。
    また胃腸の弱い方、下痢気味の方は症状が悪化することがありますので、医師、薬剤師または登録販売者にご相談ください。

    服用アドバイス

    漢方薬の服用だけでなく、日常生活で、同じ時刻に起床する、睡眠薬代わりにお酒を飲むことを控える、眠くなってから寝るなど併せて行っていただければと思います。
    漢方ではイライラの解消に、香りの良いものが効果的と考えられています。香り野菜の三つ葉や春菊、セロリなどがお勧めです。その他、アサリなどの貝類も食事に上手く取り入れると良いでしょう。