胃苓湯(いれいとう)

    はじめに

    胃苓湯は胃腸疾患の中でも水瀉性の下痢・吐き気、急性胃腸炎や、冷えのために腹痛・下痢などを起こす冷え腹の方にお勧めの漢方薬です。

    症状・働き

    胃腸が、細菌やウイルスに感染すると、嘔吐したり、水分の吸収を阻害し、腸液の過剰分泌や蠕動運動が活発になるため、吐き気や下痢を招きます。また、おなかを冷やすことでも胃腸の異常運動を起こし、腹痛・下痢が生じます。
    胃苓湯は胃腸の蠕動運動を整え、体内の過剰な水分を尿として排出することで吐き気や腹痛、下痢を改善します。突然の吐き下しで辛い方にお勧めの漢方薬です。

    効能・効果

    体力中等度で、水様性の下痢、嘔吐があり、口渇、尿量減少を伴うものの次の諸症:食あたり、暑気あたり、冷え腹、急性胃腸炎、腹痛

    服用期間

    まずは1週間程お試しいただき、
    効果実感があれば1ヶ月を目安に服用を続けることをお勧めします。

    他の漢方薬

    胃腸症状で用いることができる漢方薬は、他にもあります。
    突然の吐き下しが辛い方には『胃苓湯』、胃痛・胸やけが辛い方には『半夏瀉心湯』、食欲がわかず何を食べてもおいしく感じない方には『六君子湯』がお勧めです。

    注意点・併用

    他にお薬を服用している場合は、確認のため、かかりつけの医師、
    薬剤師または登録販売者にご相談ください。

    生活アドバイス

    日ごろからおなかを冷やさないように注意しましょう。
    体調に自信がない場合は火を通した温かいものを摂るよう心掛けましょう。おなかを温めると言われる食材には生姜、山椒、にら、紫蘇などがあります。